Every Day is “Global” at ICU.

-日常に息づくICUの「グローバル」-

Global ICU

卒業生の声

*肩書はインタビュー当時のものです。

*肩書はインタビュー当時のものです。

ダニエル シルバ 
Amazon Web Services, Inc. T&C Strategy & Operations Manager
2010年 教養学部国際関係学科(当時)卒業

「考える力」「課題を発見・解決する力」
どんな環境でも必要な力とマインド

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全ては「社会をより良くしたい」という思いから

現在、多様なクラウドサービスを世界中に提供するAmazon Web Services(AWS)で勤務しています。弊社のクラウドを顧客企業が導入する際には、AWSのエンジニアがその企業のエンジニア向けに、クラウドのスキルを向上させて、より効果的な運用が可能になるようトレーニングを行います。そうした業務におけるオペレーションや戦略を構築することが私の役割です。同社に転職したのは2020年の秋。コロナ禍でリモートワークが進み、クラウドサービスの重要性がますます高まる中、世界でトップシェアを誇るAWSに身を置いてみたいと思ったのです。

ここに至るまで、さまざまな変遷がありました。ICU卒業後に就職したシンガポールのスタートアップ企業ではゼロから事業の立ち上げに関わり、その半年後には学生時代から憧れていたGoogleに入社。ヨーロッパや東南アジアで3年半勤務した後、日本に戻り、合計7年間在籍しました。その後メルカリに転職し、人事関連の業務に約2年半従事。どの職場で働くときも根底にあったのは「社会をより良くしたい」という思いでした。

例えばGoogleでは、人事の「ダイバーシティ&インクルージョン」という取り組みに関わり、エンジニアの多様性を確保し、誰もが働きやすい環境をつくるとともに、エンジニアとして一人前になることをサポートする仕事に従事していました。Google在籍中には、日本企業や官公庁相手にGoogleの文化や就労環境についてプレゼンテーションする機会もありました。私自身、Googleの自由度が高く、オーナシップのある働き方に大変満足していましたが、他の企業に就職した友人たちの中には残業や就労環境に悩む人が多くいました。そうした日本の働き方に関する課題を解決したいと思ったのです。しかし、私が自身の経験を共有しても、「Googleはアメリカの企業だし、資金なども潤沢にある。日本企業ではGoogleのような働き方は無理」と最初から諦めている企業が多く、歯がゆい思いでした。

そうした状況を打開し、日本の企業でもそこで働く「人」を第一に考える企業文化が実現できることを証明したいと、転職先に選んだのがメルカリです。同社は当時上場前の日本のスタートアップ企業でありながら、メディアに頻繁に露出し、アメリカにもオフィスを構えていました。メルカリがグローバルスタンダードな組織づくりや働き方を取り入れることで、他の日本企業のロールモデルになるのではないか――。Googleでの居心地の良い環境から離れることにためらいはありましたが、新たなチャレンジをしてみたいと転職に踏み切りました。

入社時のメルカリの人事部門には、採用と給与に関するチームしかありませんでした。そこに人材育成、ダイバーシティ&インクルージョン、ピープルアナリティクス(人材データなどの分析)といったチームを新たに立ち上げ、世界基準の人事部門を目指したのです。それと同時に、日本を超えグローバルな職場環境や文化を築くための戦略を立案しました。これらの取り組みが徐々に軌道に乗り、25人の組織を作り働き方改革を推進してきた結果、私がいなくても彼らはその仕事を続けられるようになったと感じました。そこで、メルカリへの入社から2年半が経過した頃、次のチャレンジをしようと、AWSに転職しました。今はクラウドというインフラを整えることで、日本のワークスタイルをさらに進化させ、人や社会の役に立ちたいと考えています。

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自分の道は自分でつくる

私はポルトガルで生まれ育ったのですが、17歳の時に日本語や日本の歴史に強い興味を抱きました。高校卒業後、1年間ポルトガルの大学に通った後、ICUとは別の日本の大学に1年間留学。そして本格的に日本の大学で学びたいとICUに入学しました。

数ある大学からICUを選んだ理由の一つに、日英バイリンガル教育が挙げられます。当時の私の日本語レベルでは、ほぼ日本語のみで授業を開講している大学で卒業できるか不安だったため、この点はとても魅力的でした。また自然が大好きな私にとって、ICUの広大で緑豊かなキャンパスは素晴らしい環境だと感じました。実は、合格したもう一つの大学では返還不要の4年間の奨学金給付が決まっており、家族としてはそちらに行ってほしかったようです。しかし、どうしてもICUで学びたいと自分で奨学金を探し、家族を説得しました。

実際にICUに身を置いて感じたのは、さまざまな国籍の学生がともに学ぶ、本当に多様性に満ちた環境だということ。今思えば、ICUのキャンパスはさながら「グローバル企業」のようでした。学びのスタイルはディスカッションやグループワーク、プレゼンテーションが中心で、自ら考え、議論し、発表する力が培われました。そして、多彩な分野から自分の関心に合わせて自由に学ぶICUのリベラルアーツ教育は、「自分の道は自分でつくる」というマインドセットを確立させ、これまでのキャリア形成につながっています。

ICUで特に力を入れて学んでいた分野が国際関係と社会学です。卒業論文のテーマは「電子機器の廃棄物:実態及び発展途上国への影響」です。当時、世の中に出始めたスマートフォンやタブレットがどのように廃棄・処理されるのか、それが国際社会や人々にどのような影響を及ぼしているかを研究したいと思ったのです。私にとって大きかったのが、卒業論文の指導教員であるホワイトロウ先生(ホワイトロウ・ギャビン、元ICU上級准教授)との出会い。社会学を学ぶ身として、先生がどのように社会を見ているのか、いつも参考にしていました。また、さまざまな悩みを相談したりアドバイスをいただいたりする中で、先生という枠を超え人として尊敬できる存在だと感じるように。ホワイトロウ先生以外にも、「自分もこうなりたい」と思える先生に多く出会えたことは本当に幸運でした。

友人たちとの交流も強く印象に残っています。私が暮らしていた寮は日本人学生が多く、日本の暮らしや文化を間近で学ぶことができました。寮対抗でサッカーの試合に興じたり、みんなで同じお風呂に入ったりと、楽しい思い出は数え切れません。大学生活全体に言えることですが、国籍や文化の異なる人々とどのように関係を築くのか、身をもって学びました。

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考え、対話を通して課題を解決する

これまでのキャリアの中で、ICUで得た力が仕事に生きていると感じることは多々あります。中でもクリティカル・シンキングやディスカッションベースの授業を通して培った「自分で考える力」「自ら課題を発見し、解決する力」は、特にグローバル企業で働く上で重要だと感じます。例えばGoogleでは、新卒社員であっても「上司の指示通りにやりなさい」と言われることはなく、自ら課題を見つけ、主体的に動く姿勢が求められるのです。ICU卒の同僚とも「ICUとGoogleのカルチャーは相通じるものがある」とよく話していました。

課題を解決に導くために、「対話」を通して物事を進めていく姿勢も非常に大切です。他者との協働で意見がぶつかることは当然あります。そうした時、お互いの考えを尊重しながら、対案を出し合って最善策を探っていく。こうしたプロセスをICUの授業で豊富に体験できたことは、社会人になって多数のプロジェクトマネジメントに携わる上で大いに役立ちました。

受験生の皆さんにお伝えしたいのは、「自分の目指す大学が大切にしていることは何なのか、自分の価値観に合っているのか、将来どんな舞台で活躍したいのか」を念頭に置いて、大学を選んでほしいということです。どのような社会人になるのか、一番大きく影響を及ぼすのが大学での学びやそこで出会う人々だと、身をもって感じているからです。

また、将来の仕事を考えるにあたって、「自分は何がやりたいのか、どこでなら実現できるのか」を、大学時代にしっかり考えてほしいと思っています。明確なビジョンがあればこそ、就職先のミスマッチを避けることができるのではないでしょうか。ぜひ大学生活の4年間で各々の「こうありたい」を見つけてほしいと願っています。

Profile

Daniel Silva
Amazon Web Services, Inc.
T&C Strategy & Operations Manager

2010年 教養学部国際関係学科(当時)卒業

ICU卒業後、シンガポールのスタートアップ企業での勤務を経て、2011年Google LLCに入社。ポルトガル・南アフリカのオンライン広告担当、社内広報シニアアソシエート(東南アジア担当)、採用企画スペシャリスト、エンジニアリング部プログラムマネージャーとして7年在籍。2018年、株式会社メルカリに入社し、人事部門のマネジメントに約2年半従事。2020年9月からAmazon Web Services, Inc.で勤務

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