Every Day is “Global” at ICU.

-日常に息づくICUの「グローバル」-

Global ICU

在学生・教員の声

吉川 海 (よしかわ かい)教養学部4年(インタビュー時)

メジャー:歴史学

目標と積極的な行動が、自分の将来への大きな投資となる

未知の世界への留学が自分を成長させた

交換留学先は、チリのポンティフィシア・カトリカ大学を選びました。入学当初から留学には行きたいと考えていましたが、それは海外に行けば英語力が向上する、海外で暮らしてみたいという軽い理由で、留学先も英語圏が漠然と候補になっていました。しかし、1年次の冬に交換留学の協定校の場所を示した世界地図を見たとき、多くの学校が欧米に集中するなか、チリに協定校が一校あることが目に留まり、チリや南米について調べました。するとチリや南米には、自分が知らない歴史や文化が多々あることに驚き、興味を持ちました。

さらに、2年次の夏休みに参加した南インドでのサービス・ラーニング*活動で、非欧米世界への魅力に気付いたことも、チリ留学を志望する大きなきっかけとなりました。現地では地域史の研究や小学校訪問など、現地に密着した社会奉仕活動を行っていたのですが、日本との文化の違いに衝撃を受けました。インドでは、トイレットペーパーを使わない、料理は右手だけで食べる、ゴミ箱が基本的にないなど、日本では考えられないことが多々ありました。しかし、そこには一つずつ理由があり、日本や欧米の常識では語れない合理性が存在していました。また、私が滞在した州は、キリスト教徒、ヒンドゥー教徒、イスラム教徒がそれぞれ異なる宗教を尊重し合い共存する数少ない地域であり、新たな発見の連続でした。
こうした経験を通して、未知の世界に滞在することは、欧米など比較的身近に感じられる文化圏に滞在する以上に自分が成長出来ると考え、チリへの留学を決めました。

チリへの交換留学の条件としては、英語運用能力の最低基準を満たす必要がありますが、それにはICUの英語教育プログラムであるELA(English for Liberal Arts Program)を通した継続的な学修が非常に役に立ちました。クラスの仲間たちや先生とのディスカッション、アカデミックライティング(学術論文)やリーディングを早く効率的に行う方法を学び、これら全てが英語運用能力の育成に役に立ったと思っています。特に、IELTSやTOEFLといった英語能力を測るテストの対策ではありませんが、プログラム修了後には、留学の条件となる英語運用能力の基準(IELTS6.0, TOEFL79)を満たしていました。そして学内の選考通過後は、スペイン語のクラスを履修し、スペイン語の能力向上に努めました。

*サービス・ラーニング:学生が一定の期間、サービス活動(奉仕/ボランティア活動)を体験することによって、それまで学んできたことを実際のサービス活動に活かし、また実際のサービス活動から自分の学問的取組みや進路について新たな視野を得る教育プログラム。本学には、海外で活動する「国際サービス・ラーニング」と国内で活動する「コミュニティー・サービス・ラーニング」があり、国際サービス・ラーニングには、毎年40~50名程の学生が参加しています。

広い視野に立った思考と将来の道を得た交換留学

交換留学を経て得た事として、二つ挙げることが出来ます。一つは、広い視野で物事を考えるようになったことです。国際社会において欧米諸国が担う役割・存在感は他の国・地域に比べて大きいといえます。そのためか、日本人だけでなく世界の人の中でも欧米スタンダードで思考している人は多い気がします。しかし、異なる地域や背景を持つ人々は、必ずしも同じように思考しません。時間感覚から始まり禁忌思想や人種観に至るまで、欧米とは大きく異なるチリ・南米に滞在することで、そのことに気付くことが出来ました。日本に帰国してから5ヶ月が経ちますが、異なる文化圏同士を脳内で比較する癖が身に付き、以前よりも物事を批判的に捉えられるようになったと考えています。

二つ目は、将来の道筋を得たことです。チリへの留学前は、大学卒業後何をしたいのか具体的には分かりませんでした。しかし、チリで南米史を学び、長期休暇中に訪れた南米各国で多様性を感じる中で、南米についての研究をより深めたいと強く考えるようになりました。スラム街の治安をアートの力で回復したチリやコロンビア、ブラジル諸都市の功績、長い間南米大陸構成国同士での紛争がなく国際関係が比較的良好である事実など、世界各国が参考に出来る事象が数多く存在します。その中でも私は世界一異人種間の婚姻が進んでいるといわれるブラジルの近代史に関心があり、大学院に進学することで移民受入国が抱えている民族間対立解決への糸口を得たいと考えています。

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攻めの姿勢で機会を生かす

今の自分は、交換留学したからこそ得た経験や価値観抜きにはないと確信しています。ICUに入学すると、新しい価値観を与えてくれる教授や学生、大学図書館総合評価*で常に1位、2位の図書館、サービス・ラーニングや様々な留学プログラムなど数多くの機会・資産に恵まれます。一方で、様々な機会を前に選択を戸惑うこともあるでしょう。ただ、自らの目標を持って積極的に行動を起こすことで、それら一つ一つが皆さんの糧になることは間違いありません。攻めの姿勢を忘れずそれらの機会を生かすことで、長いようで短い4年間が自身の人生への大きな投資になると信じています!

*週刊朝日進学MOOK『大学ランキング』(朝日新聞出版)の評価

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