在学生・教員の声

Expanding Potential: determination
齋藤 亮太 (さいとう りょうた)教養学部4年(インタビュー時)

メジャー:社会学、経営学(マイナー)

挑戦への決断が、自分を成長させる

入学の決め手〜成長の可能性

ICUに入学を決めた理由は、二つあります。まず一つは、入学時点で専攻を一つに絞らない点です。進学校にいた自分の周りには、進学先を決定する際、文系理系という区分と、偏差値の高低を主な選択の基準として大学を選ぶ人もいましたが、自分はそのような進学先の決定はしたくないと思っていました。大学生活の4年間は、自分の成長に非常に重要な期間です。自分が本当に学びたいことは何かを考えずに、大学や学部を選択する事は、自らの可能性を狭めてしまうケースもあると考えていました。当時の自分は、大学4年間をこの学部・学科で過ごそうと思えるものに出会っていなかったこともあり、ICUの入学後に専攻を選べる制度を知った時、自分の可能性を広げるにはここしかないと思いました。

もう一つの理由は、海外を身近に感じられる環境に身を置きたかったためです。高校時代までの自分は、海外生活や留学の経験などはありませんでした。今、社会のグローバル化が進む中で、このままの自分では社会の流れに取り残されてしまうとの不安を払拭したかったのです。

英語運用能力の向上

英語教育プログラム"English Language Program" (現ELA:English for Liberal Arts Program)は、予習・復習が大変で、必死に勉強していました。セクション*には、海外での生活経験がある帰国生も多く、ディスカッションで発言するのは大変でした。しかし、勉強の成果もあってか、徐々に参加できるようになり、自分の英語力に自信が持てるようになりました。また同時に、授業内容によって物事を多面的とらえる視点や、「クリティカルシンキング(情報を鵜呑みにせず吟味する力)」なども養われていたと思います。

そして、1年生の夏には、SEAプログラムに参加し、アイルランドのダブリン大学に留学ました。それまで海外生活の経験はありませんでしたが、SEAプログラムは6週間という短期留学であること、ICUから多数の学生が留学することもあり、さほど不安は感じず参加する事が出来ました。

現地では、スペイン、フランス、ドイツ、ロシアなどからの留学生とともに学びました。英語で外国籍の学生と交流ができたことが何よりも楽しかったですし、自分の英語にもさらに自信が持てるようになりました。帰国後、同じセクションの友人から、「英語が飛躍的に上達している」と言われたときは、本当にうれしかったです。

様々な学びを経て、社会学メジャーを選択 

メジャー(専修分野)は、社会学です。入学当初は自営業の父の影響もあり、マーケティングに興味があり経営学系のメジャーを専攻しようと思っていました。しかし、学びを進める中で、人間の行動が何に影響を受けているのかを知ることに興味があると気づき、社会学に関心を持ち始めました。特に印象に残っている授業は、2年生の春学期に履修した、田仲康博先生の「カルチャラル・スタディーズ入門」です。この授業の中で、「人の行動は、少なからず

社会構造の影響を受けている。人は、何らかの情報をもとにしか考えられない」ということを学びました。それまでは、自分は自分の考えで物事を決めていると当然の様に考えていたので、自分の視点が変わったのを覚えています。個人と社会構造の関係についてさらに勉強したいと思い、3年生に進学する際に社会学をメジャーとして、また入学当初から関心のあった経営学マイナーとして選択しました。

4年生でオハイオ州立大学へ交換留学

卒業を1年遅らせ、4年生の秋から、アメリカのオハイオ州立大学に1年間の交換留学をしました。通常、交換留学は3年生の秋からですが、当時の自分はICU内で学ぶことに魅力を感じており、留学するつもりはありませんでした。しかし、同学年の友人たちが次々と留学する姿を目にし、このままでよいのか、1回しかない大学生活を悔いなく過ごすには、今できることに挑戦すべきではないかと思い始めました。卒業が1年遅れることによる就職への影響など、不安もありましたが、今後自分が社会において付加価値を発揮していくにあたり、今の自分に不足しているのは、異文化体験や異文化の中で自分を出す経験だと考え、4年生での留学を決意しました。

留学先にオハイオ州立大学を選んだ理由は、大学規模も大きいため、様々な文化に触れられる機会があることと、社会学と経営学が評価されているためです。現地の大学生とともに学び、彼らとディスカッションで渡り合い、さらに課題もこなすのは非常に大変でしたが、4年生であえて決意した留学、そして20代の大切なこの一年を無駄にしたくないという思いが強くあったので、日々一生懸命に取り組む事ができたのだと思います。また、様々な価値観に触れることで、それまで描いていた自分の将来を見直すきっかけを得ることもできました。

自分を成長させ、可能性を広げる

就職先はIT系のベンチャー企業に決めました。自分は将来、社会が抱えている様々な難題の解決に携われる人間になりたいと考えています。これを達成するためには、自分をより成長させることのできる環境に身を置くことが必要だと思い、比較的規模の小さいベンチャー企業で働く事を選びました。小さい企業だからこそ、自分に任される仕事、責任も大きいと思いますが、頑張りたいと思います。

ICUは、知らない分野の科目を履修することで、新たな視野を得ることができ、海外留学でこれまで触れたことのない文化、習慣、価値観を知ることもできる等、自分次第で様々なことを経験できる環境が整っています。皆さんもICUでこれまで得たことのない経験を通じて、自分の可能性を広げてみてください。

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*セクション:英語教育プログラムのクラスのこと。通常20名前後の学生が所属する。