在学生・教員の声

佐藤 良太 (さとう りょうた)教養学部4年(インタビュー時)

メジャー:生物学、環境研究(マイナー)

努力した分だけ、環境学を学ぶ楽しさを知った

卒業研究の計画、ICUで履修できない授業の履修、英語圏で自然科学を学ぶために

私はアメリカのオハイオ州にあるウースター大学に交換留学をしてきました。1年次の夏休みに海外英語研修(SEA)プログラムに参加し、大学を卒業する前に1度は中期か長期の留学プログラムに参加したいと思っていました。

留学の目的は、卒業研究を行うにあたっての計画を練ること、ICUでは開講されていない授業を受講すること、英語が公用語の環境で自然科学の分野を学ぶことでした。また私は海外の大学院進学を考え始めていたので、今回の交換留学を通して進学するか否かの決定をしようと思っていました。

ウースター大学は、良質な教育と理系でその名を知られているアメリカのリベラルアーツカレッジで、ICUとウースター大学の間では、理系分野に特化した交換留学が行われています。この交換留学この大学では、3年次に理系論文を英語で執筆する能力を身に付ける着けるための専門的なコースを受講します。自分の研究をサポートしてくれるウースターの教授とICUの卒論指導教員の連携のもと、個々の研究を計画し実行する上での基本的なスキル(学術論文の書き方等)を学び、最終的には自身の卒業研究におけるプロポーザルを書き上げます。研究計画に早く取り組みたい方や強い研究意欲がある方にオススメできる留学プログラムです。

留学を通して得たもの

私はこの留学を通して3つの重要な事を得ることができました。1つ目は、自分の将来への鍵を見つけることができたということです。留学へ行く前は「環境の保全や動物の保護をしたい」といった漠然とした将来への目標しかなく、卒業後の自分の進路についてどうしたらよいかわかりませんでした。留学先では保全生態学の授業を履修していたのですが、ほぼ毎週のように環境学と生態学、社会学に絡んだ多くの研究論文を読み、日々、学問に対する好奇心がくすぐられました。もう少しこの学問の領域を学んでみたいと心から思うようになり、大学卒業後はオーストラリアの大学院で環境科学を学ぶ予定です。将来は、海外で植林事業の展開や山林事業に携わっていきたいと考えています。今回の留学で新しい自分の可能性を見つけることができ、それを将来の自分の仕事にどう繋げていくのかをより具体的に考えられるようになりました。

2つ目は、自分の意見を形成する能力、他人の意見を聞く能力を高められたことです。私が履修していたどの授業においても、ディスカッションは常に行われていました。どんな些細な事柄でも、学生同士で意見を出し合い、他人と自分との考え方の違いを多く感じました。卒業研究の計画を考える授業では、作成途中の論文や研究計画について周りの学生や教授からフィードバックをもらい、最後の授業では自分の研究内容をプレゼンすることで、自分に足りないものに気付くとともにや自分の研究を客観的に捉えられるようになりました。授業やディスカッションなどでインプットした重要な意見や情報を自分の意見と重ねて、試行錯誤しながら卒業研究や論文にアウトプットする作業は思っている以上に大変でしたが、さまざまな視点を踏まえた上で自分の意見を構築することの重要性を実感することができました。

3つ目は、勉学の楽しさを強く感じることができたということです。日本にいた頃は学びに集中できていたものの、どこか学びの楽しさを感じられずにいました。留学に来てからは、授業についていくことや課題をこなしていくことに必死でした。噂に聞いていた通り、アメリカの大学の課題の量は多く、毎日のように苦しんだのを覚えています。ただ努力した分だけ評価されるので、モチベーションだけは下げないようにしていました。そして日々の学びで出会った科学論文や、本、授業のテーマはとても印象深く、学びの楽しさを認識しました。卒業研究や大学院で研究するモチベーションも高めることができて良かったです。

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留学に行くだけでは何も変わらない。努力するかが大事

今回の留学を通して、私は本当に恵まれた環境にいると実感しました。特にICUは、国際的な舞台で活躍したいと思っている人に、交換留学制度やその他多数の留学プログラムなどとても良質な環境を提供していると感じています。交換留学では語学の面以外でも、将来へのキャリア形成や自分自身の形成に大きく関与していると今回肌で感じました。もちろんただ留学に行くだけでは何も変わらなくて、留学先で自分がどれだけ努力をしたかが大事になってくると思います。

留学に興味がある人はぜひ積極的に挑戦してみてください。きっと多くを得ることができると思います。今ある機会を最大限に活用してください。