卒業生の声

*肩書はインタビュー当時のものです。

*肩書はインタビュー当時のものです。

OH, Jun young (オー・ジュンヨン) 
GLLUGA INC. 取締役 「ohora」日本代表
2015年3月 教養学部卒業(メジャー:物理学)

ICUで育まれた「挑戦を楽しむマインド」が キャリア形成に直結している

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急成長中のネイルブランドで、日本の事業全体を統括

現在、韓国発ネイルブランド「ohora」の日本代表を務めています。ohoraはネイルサロンのようなクオリティを自宅で簡単に、お手頃な価格で実現できるプロダクトが強みで、多くの方にご愛用いただいています。2021年に生まれた若いブランドでありながら、急成長を遂げ、韓国と日本のほかにも欧米、中国、台湾などグローバルに展開しています。

私の役割は日本における事業全体を統括することで、事業戦略から、デジタルマーケティング・法人営業・財務・法務・人事まで多様な領域で意思決定を行っています。求められるのは、韓国でのやり方をそのまま日本で再現するのではなく、日本の消費者のニーズに合わせてローカライズすること。日々新しい課題に直面し、難しい経営判断が求められますが、それも含めて楽しめているのは、ICUで培われた「未知のものを恐れないマインド」が根底にある気がします。

 

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写真左:TVCM撮影現場にて 写真右:イベントにメインスピーカーとして登壇した様子

 

ここに至るまで、さまざまなキャリアを辿ってきました。ICUでは物理学メジャーだったのですが、ビジネスの世界に身を置きたいと思い、卒業して数年間はコンサルティング業に従事。短期間で密度高く、ビジネスに関する知見を吸収できたのは貴重な経験になりました。その後、台湾発のティーカフェ「Gong cha」を運営する投資ファンドに転職し、日本での事業拡大に注力。コンサル時代よりも主体的に事業に携わることができました。

そうした中で、より専門性を持ったプロの経営者になりたいという思いが一段と高まり、MBA(経営学修士)留学に挑戦。活躍している経営者の方はMBAを取得している割合が高く、彼らがどのような教育を受けてきたのか自分も体験してみたいと思ったのです。私が留学したアメリカ・コロンビア大学のビジネススクールには、今まで接点の多かったコンサルティングや金融の業界からだけでなく、オリンピックに出ていたスポーツ選手、ブロードウェイのミュージカル俳優、国会議員など、さまざまなキャリアを持つ人々が世界中から集まっていました。ICU在学時と同じように、多様なバックグラウンドを持つ仲間とのディスカッションは、私に大きな刺激を与えてくれました。その後、縁があって現在の会社に務めることになったのです。

 

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MBA時代の同期と

 

ICUへの入学がきっかけで、自分の人生が大きく変わった

私がキャリアを歩む中で特に意識してきたのが「自己成長」というキーワードです。いつからか「自らの成長が、自分の幸せにつながる」という価値観が大きくなり、絶えず新しい挑戦を続けるようになりました。ただ、昔から積極的な性格だったわけではなく、ICUへの入学がきっかけで、自分の価値観が大きく変わったと感じています。

もともと高校卒業後は、生まれ育った韓国の大学の理系分野に進学するつもりでした。一方で、大学4年間は自分の人生の土台を築く大切な時間なのに、早々に専門分野を絞ってしまってもよいのかという迷いもありました。そんな時に学問分野を超えて幅広く、深く学べるICUのリベラルアーツ教育のことを知り、思い切って日本への留学とICUへの入学を決めたのです。

ICUでは、高校時代から興味の強かった物理のほか、宗教、文学、法学、国際関係など幅広い分野の学びに注力。リベラルアーツ教育というシステムが、未知の領域に飛び込む不安を払拭してくれた気がします。また、多様な分野を実際に学んでみることで、自分の興味が明確になる点もリベラルアーツ教育の利点だと感じました。最終的には純粋に学ぶのが楽しかった物理学をメジャーにしました。多様な国・地域の学生とのディスカッションを通して、自分とは異なる考え方や価値観に出合うことができ、驚きと発見の連続でした。

こうした環境で学ぶ中で、新しいものや人との出会いが自らの成長につながると確信したのです。そこから、もっと多様な価値観に触れたいという思いが強くなり、ICUの交換留学制度を利用してアメリカのカリフォルニア大学バークレー校へ留学。同校では、16歳で大学に入学した学生や在学中に起業した学生など、それぞれの目標に向かって突き進む学生であふれていました。そして、彼らに感化され、自分も新たな挑戦を楽しめるようになったのです。失敗しても成長につながるのなら、それほど恐れることはない。こうした価値観は間違いなく、その後のキャリアに直結しています。人生が大きく変わった最初のきっかけがICUへの入学だったと、改めて実感します。

ICUでは、ほかにもたくさんの成長がありました。その1つが日本語能力です。大学入学前は日本語をほとんど話せず、ひらがなを少し読める程度だったのですが、ICUの日本語教育プログラムで飛躍的に向上しました。入学して半年ほど経つと日本語の授業を受講できるようになり、ICU卒業後はプロフェッショナルファームでコンサルタントを務められるほど、不自由なく日本語を使えるようになったのです。ここまで成長できるのだ、と自分でも驚いたほどです。韓国から日本の他大学に進学した友人たちは、みな大学卒業後には韓国に戻っています。ICUでしっかり日本語を身に付けられたことが自身の進路にも大きく影響していると思います。

 

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ICU在学時代、イベントを開催した仲間と

 

他者に奉仕する精神を、もっと大きなインパクトで社会に役立てたい

今後の目標として「ohora」を、短期的に売れて終わるブランドではなく、持続的に日本の消費者の方に愛用してもらえるブランドに育てたいと思っています。それと同時に、商品をネイル以外にも広げていきたいという構想も描いているところです。

個人的な目標として、これまで「自己成長」を第一に置いてきましたが、「他者への貢献」にも、より力を入れていきたいと考えています。その第一歩として、日本に住んでいる韓国人学生や若手社会人などに対して、交流の場を作ったり、人をつないだりと、すでに行動を始めています。私がICUで人生を切り拓くきっかけを掴んだように、若者が人生を好転させるきっかけを掴んでくれたら、とてもうれしいですね。自社の製品についても、時間的な制約や経済的な理由でネイルサロンに行くことが難しい人も、気軽におしゃれを楽しめることで少しでも幸せに貢献できれば、そんな思いも込めています。

今思うと「他者のために」というマインドも、ICUで育まれたものだと感じます。というのも大学時代に、卒業生や先生方がボランティアで学生をサポートしてくれる姿を度々目にしてきました。講演をしてくださったり、学生をいろいろなところへ連れて行ってくださったりと、私たちに新たな気付きを与えてくれました。ちなみに在学中、ICU卒業生であり現在は理事長を務める竹内弘高さんの講演に感銘を受け、かつて竹内さんも留学したカリフォルニア大学バークレー校に自分も留学しようと決めたのです。最近も、竹内さんがICU生と若手卒業生に向けてビジネスに関する勉強会を開いてくださり、卒業生にもそうした場を作ってくださり、新しいつながりを持つことができたのはありがたい限りです。

他者に奉仕するICUの人々や空気に影響されたのか、在学中、自らボランティア活動に取り組んだ経験も良い思い出です。留学生のサポートをしたり、東日本大震災後に放射線量のデータを収集したり、アフリカの難民を支援したりと幅広く貴重な経験をさせていただきました。ICUで育まれたボランタリーな精神を、もっと大きなインパクトで、他者や社会に役立てたいと思っています。

ICUでの経験を通じて、自分の可能性を広げる挑戦を楽しむことの重要性を学びました。 新しいことに挑戦を楽しむことを忘れずに、未知の世界を恐れずに飛び込む勇気を持ってほしいです。その過程が、自分の可能性を広げるきっかけになると思います!

 

OH, Jun young さんのICU在学時のインタビューも掲載中です。

在学生の声 OH, Jun young(オー・ジュンヨン)

Profile

OH, Jun young (オー・ジュンヨン)
GLLUGA INC. 取締役 「ohora」日本代表

2015年3月 教養学部卒業(メジャー:物理学)

韓国出身。2015年3月、ICU卒業。
EY、アクセンチュア・ストラテジー、マッキンゼー・アンド・カンパニーで戦略コンサルタントとして主に消費財・小売業界のクライアントの経営課題を解決するプロジェクトに従事。台湾発のティーカフェ「Gong cha」を運営する米国の投資ファンドを経て、米コロンビアビジネススクールでMBA(経営学修士)を取得後、GLLUGA INC.に入社し、韓国発ネイルブランド「ohora」の日本代表を務める。

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