学長室・ニュース
挨拶
リベラルアーツは、多様な知の集合体
混迷する時代に真価を発揮します
ICUは、1953年の献学(建学)以来、一貫して本物のリベラルアーツ教育を実践してきました。
リベラルアーツは、多様な知の集合体。学生は多様な知のネットワークを自分の中に構築し、またそれを社会の中に作って行動する能力を身に付けます。
ICUには、人文科学・社会科学・自然科学・学際的領域をカバーする31のメジャー(専修分野)があります。
その全ての基盤にあるのはScience。「サイエンス」は理工系の分野を指すことが一般的なのですが、私たちが考えるScienceは、その語源のラテン語scio(私は知っている)に直結しています。どの分野にも共通する、知りたい、という情熱がそこにあります。理論とエビデンスに基づいて人間と世界を理解しようとする情熱。その情熱が形となるように、リベラルアーツはアートを大切にします。ここでの「アート」は、学術的なものも含めたスキルを指しています。まだ語られていないもの、未知のものを、認識可能な存在へと変形させるアート(技術・芸術・学術)。ICUの、教養学部アーツ・サイエンス学科、という名称にその思いが込められています。
Scienceの実践のなかで不可欠なものはモラル(人間の内面、道徳、倫理)です。自然環境と開発、AIと人間、戦争と和解といった現代文明が解決しなくてはならない課題に取り組むときに、モラルが欠如していては行き詰まってしまいます。ICUはキリスト教主義をそのモラルの基盤に置いています。「神と人とに奉仕する」というのがICUのモットーです。
日本や世界の各地から集うICUの学生や教員は、日英バイリンガルの言語環境のもと、互いのバックグラウンドを理解し合いながら、個人の意見をしっかり持ち、対等な一人の人間として、自由に議論します。キャンパスには対話と多様性があふれています。また、自分と他者をより深く理解するための批判的思考が実践されています。
分断や対立を深めているように見える21世紀の世界の中で、私たちは、よりよく生きるために、そして持続可能な開発を通じてより良い世界をつくるために必要な文化や技術や環境を、確かな人間的なつながりの中で共有し、共生していく道を探らなくてはなりません。ICUのリベラルアーツはその探求と実現を支える学びです。
プロフィール
学長 岩切正一郎
学歴
1983年 | 東京大学文学部フランス語フランス文学専修卒業 |
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1988年 | 東京大学大学院人文科学研究科仏語仏文学専攻修士課程修了 (M.A.) |
1991年 | 東京大学大学院人文科学研究科仏語仏文学専攻博士課程満期退学 |
1993年 | パリ第7大学テクスト・資料科学科第三課程修了 (DEA) |
職歴
1996年 | 国際基督教大学教養学部助教授 |
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2007年 | 同 教授 |
2011年 | 同 アドミッションズ・センター長 |
2019年 | 同 学部長 |
受賞・受章歴
2008年 | 第15回湯浅芳子賞(翻訳・脚本部門) |
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2023年 | フランス教育功労章オフィシエ |
行政職員紹介
学務副学長
エスキルドセン, ロバート
国際基督教大学大学院比較文化研究科修士課程修了(M.A.)。スタンフォード大学博士号(Modern Japanese History, Ph.D.)取得。1996年スミス大学専任講師として着任、助教を経て、2008年桜美林大学リベラルアーツ学群准教授に着任。2014年国際基督教大学上級准教授、2019年教授を経て、2020年4月より学務副学長。専門は日本近現代史で、主に明治時代初期を対象とし、ナショナリズムと帝国主義が日本と東アジアの人々の生活に与えた影響などを研究。
国際学術交流副学長

ウィリアムズ, マーク
オックスフォード大学卒業(日本研究)。1991年カリフォルニア大学バークレー校博士号(日本文学)取得。1988年から2017年までリーズ大学に在籍し、助教授、准教授、教授を務める。この間、2008年から2011年まで英国日本研究協会の会長、2011年から2014年まで国際教養大学学務副学長を歴任。2017年9月より国際基督教大学国際学術交流副学長。専門は日本文学。遠藤周作をはじめとする戦後のキリスト教の作家を研究。
Email: vpiae[@]icu.ac.jp
教養学部長

生駒 夏美
2002年ダラム大学博士号(Ph.D.)取得。国際基督教大学ジェンダー研究センター長、同文学研究デパートメント長を歴任。専門分野はジェンダー、ヨーロッパ文学、文学一般、日本文学、思想史。
大学院部長
石生 義人
西南学院大学文学部外国語学科英語専攻卒業。Baylor University大学院社会学修士課程修了(MA)。University of Minnesota大学院社会学博士課程修了、博士号(Ph.D.)取得。1996年筑波大学社会工学系助手、1998年同学系にて講師。2000年国際基督教大学助教授として着任、2012年から教授。これまでに、大学院公共政策・社会研究専攻主任および教養学部長を歴任。専門は社会学、おもに、アメリカ人の愛国心に関する研究。
学生部長

木部 尚志
1995年、テュービンゲン大学にて博士号取得。2000年、国際基督教大学に着任。2011年から2014年にかけて、また2021年から2022年にかけて平和研究所長を務める。専門は政治学、政治理論。おもに、比較政治理論、平等論、多文化主義、近世初頭の政治思想史、社会正義論、社会科学の方法論に関する研究。
事務局長

川合 直之
成城大学経済学部卒業。
2014年人事部長、2019年アドミッションズ・センター部長を務め、2025年4月より現職。
メッセージ・掲載記事
学長のメッセージ、講演、コメントが掲載された記事の一覧です。
2025年度
日付 | 内容 | 媒体 |
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4月1日 | 2025年春季卒業式 式辞 |
2024年度
日付 | 内容 | 媒体 |
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3月25日 | 2025年春季卒業式 式辞 | |
1月9日 | 2025年 新年大学礼拝 | |
10月1日 | 【web連載】『文字の渚』最終回「Fluctuat nec mergitur」 | web春秋 はるとあき |
9月3日 | 2024年秋季入学式 式辞 | |
8月1日 | 【web連載】『文字の渚』第11回「イノベーション」 | web春秋 はるとあき |
7月12日 | 2024年夏季卒業式 式辞 | |
6月12日 | 創立記念礼拝 | |
6月3日 | 【web連載】『文字の渚』第10回「古典に目覚めた頃」 | web春秋 はるとあき |
4月2日 | 2024年春季入学式 式辞 | |
4月2日 | 【web連載】『文字の渚』第9回「本の引っ越し」 | web春秋 はるとあき |
2023年度
日付 | 内容 | 媒体 |
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3月22日 | 2024年春季卒業式 式辞 | |
2月1日 | 【web連載】『文字の渚』第8回「語りかけ」 | web春秋 はるとあき |
1月10日 | 2024年 新年大学礼拝 | |
12月8日 | 【web連載】『文字の渚』第7回「記憶と記憶の向こうの過去」 | web春秋 はるとあき |
10月2日 | 【web連載】『文字の渚』第6回「孤独」 | web春秋 はるとあき |
9月21日 | 対談「平和の構築に寄与する 真のリベラルアーツ教育を」 | THE 日本大学ランキング |
9月1日 | 2023年秋季入学式 式辞 | |
8月1日 | 【web連載】『文字の渚』第5回「歌あれこれ」 | web春秋 はるとあき |
7月14日 | 2023年夏季卒業式辞 | |
7月3日 | 【web連載】『文字の渚』第4回「生成系AIに質問してみた」 | web春秋 はるとあき |
6月21日 | 【インタビュー】リベラルアーツは、多様な知の集合体 混迷する時代に真価を発揮する | 「学びのすすめ No.1」さんぽう |
6月15日 | 創立記念礼拝 | |
6月1日 | 【web連載】『文字の渚』第3回「コロナ禍のなかの戯曲翻訳」 | web春秋 はるとあき |
5月19日 | International experiences help to contribute to global peace | The Japan Times (広告) |
4月14日 | ボードレール 詩と芸術 《日仏会館ライブラリー》1 (水声社) | |
4月3日 | 【web連載】『文字の渚』第2回「照応と出発」 | web春秋 はるとあき |
4月1日 | 真のリベラルアーツ教育を通して混迷する時代を生き抜く力を養う | 「マナビジョンブック2023」進研アド |
4月1日 | 2023年春季入学式 式辞 | |
2022年度
日付 | 内容 | 媒体 |
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3月24日 | 2023年春季卒業式 式辞 | |
2月1日 | 【web連載】『文字の渚』第1回「錬金術」 | web春秋 はるとあき |
1月17日 | 2023年 新年大学礼拝 | |
12月22日 | 【インタビュー】リベラルアーツ大学における情報科学教育 | 電子情報通信学会誌12月号 |
9月1日 | 2022年秋季入学式 式辞 | |
6月30日 | 【基調講演】パルマコンとしてのオンライン教育 | ポストコロナの時代における高等教育とそれを支える教育・学習支援 : アカデミック・リンク開設10周年記念シンポジウム (千葉大学ALPSプログラム第7回シンポジウム) (ALPSブックレットシリーズ ; vol.7) |
6月29日 | 2022年夏季卒業式 式辞 | |
6月17日 | 創立記念大学礼拝 | |
5月31日 | 【インタビュー】リベラルアーツの学びが築く 心と社会の平和、学問の自由 | THE世界大学ランキング 日本版(広告) |
5月31日 | 【インタビュー】一人ひとりの豊かな人生、生き方を願うICUのリベラルアーツ | ユニヴプレス(広告) |
5月31日 | Japan Stands with Ukraine: Keeping Education Going for Students | 内閣府発行広報誌KIZUNA |
4月1日 | 2022年春季入学式 式辞 |
2021年度
日付 | 内容 | 媒体 |
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3月25日 | 2022年春季卒業式 式辞 | |
2月28日 | 学長声明:軍事侵攻に反対する | |
1月14日 | 2022年 新年大学礼拝 | |
12月 | 【インタビュー】対話を重ねて創造する一人ひとりの知的好奇心に応えるリベラルアーツ大学 | 月刊学校経営アカデミー |
10月27日 | 【インタビュー】文系、理系の壁「入学時と卒業時で6割の専攻希望が変わる教養教育」 | 朝日新聞 教育情報紙 EduA |
10月20日 | 【インタビュー】社会課題の解決に挑む リベラルアーツの学び | THE世界大学ランキング日本版(広告) |
9月1日 | 【インタビュー】わたしの勉学時代「苦手な事でも好きな部分を見つけると突破口が開けます」 | 関塾タイムス11月号 |
9月1日 | 2021年秋季入学式 式辞 | |
7月 | 【インタビュー】「予測不 可能な変化」の時代にこそ不変なリベラルアーツを | ユニヴプレス(広告) |
6月30日 | 2021年夏季卒業式 式辞 | |
6月25日 | 【インタビュー】この人からエール「リベラルアーツ」が目指すもの | Spring(シンガポール教育情報誌・広告) |
6月16日 | 創立記念大学礼拝 | |
5月 | 【インタビュー】世界の大きな転換期にも変わらない対話を中心とするリベラルアーツの学びを進める | 帰国便利帳(広告) |
4月 | 【インタビュー】トップが語る大学教育の約束「対話を通じて多様性を理解する国際的社会人の育成をめざす」 | マナビジョンブック・保護者版 |
4月1日 | 2021年春季入学式 式辞 |